歯周病

歯周病は菌による感染症であり、歯を支えている骨が減ってしまう病気です。進行すると歯を支えられなくなり、抜け落ちてしまいます。歯周病に関与している菌は多数あり、中でもレッドコンプレックスと呼ばれる3種は毒性が強いため、増やさないようにしなくてはなりません。
レッドコンプレックスは、血液に含まれる鉄分を栄養源にする一方、酸素を嫌います。歯周病が進行すると歯ぐきから出血しやすくなり、歯と歯ぐきとの間にある歯周ポケットも深く空気に触れにくくなるので、悪循環となってしまいます。そこで、歯周ポケットが2~3mmで出血がない状態を目指し、治療します。歯周病は初期症状に気づきにくく、進行してしまう方が多いものです。進行してから受診しても、抜歯ということになりかねません。ぜひ、歯科検診を受け、早期に治療を始めましょう。
歯周病の原因

口のセルフケアが不十分な場合、歯垢(プラーク)がどんどんたまっていきます。歯垢は食べ物のカスではなく細菌の塊で、歯周病の原因となります。また、歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢は、唾液の成分と化合して歯石化します。歯石はセルフケアでは取れないので、歯科クリニックのプロケアを定期的に受ける必要があります。
歯石は歯周ポケットを深くする作用をもっており、歯周病を悪化させます。
歯周病が進行すると歯ぐきから血が出るだけでなく、歯周組織が破壊されて歯を支える歯槽骨も減っていくので、歯が脱落することもあります。
歯周病の進行
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歯肉炎
歯と歯ぐきの間に歯垢(プラーク)がたまり、歯垢の中の歯周病菌が出す毒素で歯肉に炎症が起きる段階です。
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歯周炎(軽度)
歯周病の進行とともに歯周ポケットは深くなっていきます。歯を支える歯槽骨の破壊も少しずつ始まります。
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歯周炎(中度)
初期には痛みは無い歯周病ですが、この段階まで進行すると歯周ポケットも深まり痛みが出ることもあります。
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歯周炎(重度)
痛みが出るだけでなく、歯がぐらつきますし、口臭もきつくなります。歯が脱落することもあるのでここに至る前に治療しましょう。
歯周病の治療

世界基準の歯周病治療法
デブライトメント治療
デブライドメント治療とは、歯根面に付着したプラークを、専用機器を使って取り除く治療方法です。まずスケーリングで歯石を除去した後にデブライドメント治療を実施します。セメント質と言われる部位を傷つけるリスクがなく、歯周病を悪化させるプラークをしっかり除去することが可能です。
歯周病が引き起こす全身疾患
歯周病によって起こる問題はお口の中だけにとどまりません。
歯周病菌が出す毒素が血管を通って全身をめぐることで、さまざまなトラブルや悪影響のリスクが高まるのです。
- 脳梗塞、認知症
- 狭心症・心筋梗塞
- 肺炎
- 糖尿病
- 骨粗しょう症
- 早産・低体重児出産
- 肥満・
メタボリック症候群
歯周病の予防方法
MTMプログラムで歯周病が重症化する前に予防

MTM(メディカル・トリートメント・モデル)は歯周病予防プログラムの一種です。従来の歯周病治療は発見が遅れることから根本解決が困難でしたが、個人のリスクを踏まえた予防をしっかり行い、データに基づくケアを行うことで大切な天然歯の保存に役立ちます。 日本人が歯を失う最大の原因である歯周病とむし歯を予防し、計画的にお口の健康を守ることは不可能ではありません。ぜひ当クリニックのMTMを始めましょう。
歯周病予防のための定期メインテナンス

歯周病は初期には痛みなどの自覚症状がありませんが、進行すると歯を失う病気です。そのため可能な限り早く治療を受けること、そもそも発症しないように予防することが非常に重要です。
まずは当クリニックの検診にお越しいただければ、状態を確認して必要があれば治療につなげますし、セルフケアの指導も丁寧に行います。知識を持ってセルフケアに取り組み、定期的にプロケアを受ければ歯周病の予防は可能です。