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奥歯が欠けたときの対処法は?応急処置と治療法について解説

序文

「食事中に突然、奥歯が欠けてしまった」

このような経験がある方もいるでしょう。奥歯が欠けた際、すぐに歯科医院を受診する必要がありますが、すぐに行けないこともあります。そこで本記事では、歯が欠ける原因や自宅でできる応急処置、歯科医院で行う治療方法について解説します。

 

奥歯が欠ける原因で考えられるのは?

奥歯が欠ける原因は、主に以下の5つが挙げられます。

虫歯

虫歯とは、虫歯菌が出す酸によって歯が溶けてしまう病気のことです。歯の外側は人体の中で最も硬いエナメル質に覆われていますが、その内側はやわらかい象牙質で構成されています。

虫歯が進行すると、まず歯の表面にあるエナメル質が溶けて小さな穴が開き、続いて象牙質が溶かされます。象牙質はエナメル質よりも溶けやすく、中で虫歯が進行して内部に空洞が生じ、歯が脆くなることがあります。その結果、やわらかい物を噛んだだけで奥歯が欠けてしまうこともあるのです。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりとは、睡眠時に無意識で歯を強く噛みしめたり、強く噛んだままの状態で左右に動かしたりする癖のことです。その力はその人の体重の2~3倍とも言われており、食べ物を噛む力(40~60kg)よりも大きくなるため、長期間続くと奥歯が欠けてしまうことがあります。

また、TCH(Tooth Contacting Habit)にも注意が必要です。これは、「上下歯列接触癖(じょうげしれつせっしょくへき)」のことで、日中無意識のうちに上下の歯が長時間接触している癖のことです。通常、安静時は上下の歯は2~3mm程度離れており、常時接触することはありません。TCHは集中している時やストレスなど、緊張しやすい場面で起こり、弱い力でも長時間にわたって歯に力が加わると、奥歯が欠けてしまうことがあります。

転倒や事故による外傷

転倒や事故などで歯に強い衝撃が加わると、欠けたり脱臼したりすることがあります。スポーツ中の事故や自転車での転倒など、さまざまな状況下での外傷により奥歯が欠けるケースが見受けられます。この場合は、すぐに歯科医院を受診し、早急に対処する必要があります。

酸蝕歯

エナメル質は人体の中でも最も硬い組織ですが、酸に弱い特徴があります。酸性の強い飲食物を長期間にわたって摂取し続けると、お口の中が酸性になり、エナメル質が溶けやすくなります。酸によって溶けた歯の状態を「酸蝕歯(さんしょくし)」と言い、エナメル質がやわらかくなっているため、奥歯が欠けたり、虫歯のリスクが高まったりします。スポーツドリンクや炭酸飲料、柑橘類、お酢など、酸性の高い飲食物を常に摂取している方、逆流性食道炎に罹患している方は注意が必要です。

かみ合わせの悪さ

歯並びが悪く、かみ合わせが乱れていると一部の歯に負担がかかり、欠けたり割れたりすることがあります。たとえば、出っ歯や受け口などは、奥歯に負担がかかりやすいかみ合わせです。今は問題なくてもダメージは蓄積されているため、将来的に奥歯を失うリスクが高くなります。

 

自宅ではどう対処する?

奥歯が欠けてしまったら、まずは早急に歯科医院を受診することです。しかし、休日や仕事などですぐに受診できない場合は、以下の方法で対処しましょう。

欠けた部分を舌や指で触れない

歯が欠けてしまうと、気になってつい触ってしまいがちですが、触れることにより舌が傷ついてしまうだけでなく、細菌が繁殖し、痛みが出たりする可能性があります。歯科医院を受診するまでは、安静にしていることが重要です。

抜け落ちた歯は保存する

万が一、歯が完全に抜け落ちた場合は、「再植」できる可能性があるため、生理食塩水や牛乳に浸けておくのが望ましいです。地面に落ちてしまった場合は、水道水で軽く洗い流しましょう。その際、歯の根っこ部分には触れないようにします。

また、詰め物や被せ物が取れた場合も、もとに戻せる可能性があります。洗浄し清潔な状態で、小袋などに入れて適切に保管しましょう。

痛み止めを服用する

歯が欠けて痛みが生じている場合は、痛み止めを服用することで一時的に痛みを抑えられます。痛み止めは市販のものでも構いません。

早めに歯科医院を受診する

奥歯が欠けてしまったら上記の対処をした後、一刻も早く歯科医院を受診しましょう。欠けてしまった歯を放置しても自然に治ることはありません。さらに症状が悪化し、最悪のケースでは歯を失ってしまう可能性があります。

 

歯科医院ではどう治療する?

奥歯が欠けた際、歯科医院では以下のように治療します。

小さく欠けた場合

奥歯が小さく欠けている場合は、「コンポジットレジン充填」と呼ばれるプラスチックの白い詰め物で治せます。欠けた箇所をほんの少し削り、詰めるだけなので1回の治療で済み、保険適用で対応できます。

中くらいに欠けた場合

奥歯が中くらいに欠けた場合は、「インレー」と呼ばれる詰め物を作製します。保険適用のインレーには金属やプラスチックが使用される一方、自費診療ではセラミックやジルコニアの選択が可能です。自費診療の材料は治療費が高くなりますが、審美性と強度に優れていることから多くの方が選んでいます。

大きく欠けた場合

奥歯が大きく欠けた場合は、歯の状態により治療方法が異なります。たとえば、欠けた部分が神経まで達している場合、神経を取り除く治療が行われることが多いです。このような治療を受けた後の歯は脆くなりやすく、安定させるための土台作りと被せ物の装着が必要になります。もし神経が傷つかずに保護可能な場合は、神経を守りつつ被せ物をします。

被せ物の種類には、保険適用の金属やプラスチック、自費診療のセラミッククラウンやジルコニアクラウン、メタルボンドなどが選択肢としてあります。

しかし、歯の根っこまで欠けてしまった場合は、歯を残すことが難しく、抜歯を考慮しなければなりません。抜歯後はかみ合わせのバランスを維持するために、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療が必要です。

 

まとめ

奥歯が欠ける原因は、虫歯、歯ぎしりや食いしばり、外傷、酸蝕歯、かみ合わせの悪さなどが考えられます。欠けた範囲や状態に応じて、コンポジットレジン充填やインレー、被せ物などの治療方法が選択されます。奥歯が欠けた際は、放置せず早急に歯科医院を受診することが重要です。

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