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夜に歯が痛くなる原因は?自宅でできる対処法とやってはいけないことを解説

序文

夜、急に歯が痛くなって困った経験をした方は少なくありません。痛み止めの服用や患部を冷やすことで一時的に痛みは抑えられますが、誤った方法で対処すると症状を悪化させてしまう可能性があります。そこで本記事では、夜に歯が痛くなる主な原因、自宅での対処法、避けるべき行動などを紹介します。

 

夜に歯が痛くなる4つの原因

夜に歯が痛くなる原因は、主に以下の4つです。

虫歯による神経の炎症

虫歯が進行して歯髄まで到達すると、「歯髄炎(しずいえん)」を引き起こします。歯髄とは、歯の内部にある神経と血管のことです。虫歯菌が歯髄に侵入すると、血管に炎症を起こし、血流を増加させて神経を圧迫します。その結果、ズキズキとした痛み、「拍動痛(はくどうつう)」が生じてしまうのです。

歯の根っこの先の炎症

歯の根っこの先に炎症が生じると「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」を引き起こします。主な原因は虫歯菌による細菌感染で、虫歯菌が深い部分へ進行することにより発症します。歯の根っこの治療が適切でなかった場合や神経が死んでしまった歯に対して症状が現れるため、歯自体の痛みは感じにくいです。しかし、根っこの先に膿が溜まると歯ぐきの周囲や顎の骨に痛みが生じることがあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、就寝中に無意識に行う癖です。歯に強い力が加わることで歯ぐきの周囲に炎症を起こし、痛みを引き起こすことがあります。これを「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と言い、虫歯の痛みとは異なり、夜間に瞬間的に痛みが現れます。

歯ぐきの腫れ・炎症

歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」と呼ばれる部分に歯垢が蓄積すると、その中の歯周病菌が増え、歯ぐきの炎症を引き起こします。特に夜間は、唾液の分泌量が減少し、お口の中を清潔に保つ作用(自浄作用)が弱まります。その結果、細菌が繁殖し、歯ぐきに炎症を引き起こしてしまうことがあるのです。

 

自宅でできる適切な対処法とは

歯が痛くて眠れないときは、以下のような対処法があります。しかし、あくまでも応急処置であるため、早めに歯科医院を受診することが大切です。

痛む箇所を頬側から冷やす

虫歯により歯髄に炎症が起きている痛みは、患部を冷やすことで痛みがやわらぐことがあります。冷やす際は氷枕や冷えたものをタオルでくるんで、頬側からあてると良いです。ただし、痛みの原因が歯周病や歯ぎしり・食いしばりの場合は、冷やすと症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。

痛み止めを飲む

虫歯の痛み、歯ぐきの炎症は痛み止めの服用も有効です。ただし、効果が期待できるのは症状が軽度なもので、強い痛みを生じている場合は効かないことがあります。また、歯ぎしりや食いしばりによる歯の痛みには効果が期待できません。

お口の中を清潔に保つ

歯磨きやうがいでお口の中を清潔に保つと痛みがやわらぐことがあります。特に、食べ物の残りが歯の間に残っていると、歯ぐきが炎症を起こすリスクが高まります。フロスや歯間ブラシを使って丁寧に取り除きましょう。

また、殺菌作用のあるうがい薬の併用も炎症を鎮める効果が期待できます。ただし、虫歯による歯の痛みには効果がありませんので注意しましょう。

ツボを押す

痛み止めがない方、もしくは服用を避けたい方は以下のツボを押してみましょう。

○歯痛点(しつうてん)

手のひら側、中指と薬指の付け根の間に位置するツボ。虫歯や歯周病による痛みに効果が期待できます。左右の手を交互にしっかりと押したり、揉んだりすることで刺激します。

○合谷(ごうこく)

手の甲側、親指と人差し指の付け根の間に位置するツボ。親指で円を描くように刺激します。

○下関(げかん)

耳の穴から顔の頬骨方向へ指四本分離れたところのツボ。人差し指で押し上げるように何度か刺激します。

○頬車(きょうしゃ)

下顎のエラの角から少し頬側に位置するツボ。人差し指や中指を使って数秒間押し続けた後、ゆっくりと離す方法で刺激します。

 

歯が痛くなった時にこれはやらないで

誤った方法で対処すると症状を悪化させてしまう可能性があるため、以下の行為は避けましょう。

患部を指や舌で触れる

歯が痛いときに、つい患部を指や舌で触れたくなりますが、余計な刺激が加わり症状が悪化する可能性があります。歯科医院を受診するまでは、できるだけ患部を触らないように心がけましょう。

血行を促進させる行為

血行を促進することで痛みがやわらぐと考えがちです。実際、筋肉痛や関節の痛みはマッサージなどで血行を良くすると改善する場合もあります。しかし、歯が痛む場合は、血流が増加し、炎症をさらに引き起こしてしまう可能性があります。入浴・飲酒・運動など血行を促進させる行為や、熱い飲食物の摂取で患部を温める行為は避けるべきです。

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があり、炎症の回復を遅らせる原因になります。また、お口の中の細菌が繁殖する可能性があるため、歯が痛む時の喫煙は控えましょう。

 

まとめ

夜に歯が痛くなる原因には主に、虫歯や歯ぎしり・食いしばり、歯ぐきの腫れなどがあります。自宅での対処法として、患部の冷却や痛み止めの服用で一時的には痛みを抑えられます。しかし、これらの方法は応急処置で、自然に治ることはありません。放置すると症状が悪化し、最終的に歯を失うリスクがあります。歯に痛みが生じた際は、必ず歯科医院を受診しましょう。

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