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子どもの出っ歯をなおす方法は?原因と放置するリスクについて

序文

「子どもの出っ歯が気になる」

「出っ歯気味だけど放置しても大丈夫?」

このような悩みや疑問を持つ保護者の方もいらっしゃるでしょう。子どもの出っ歯は見た目に影響が生じるだけでなく、放置すると虫歯や歯肉炎のリスクが高まることがあります。また、子どもはあごの成長過程にあるため、早めに対応しないとさらに出っ歯が悪化する可能性も。そこで本記事では、子どもが出っ歯になる原因や放置するリスク、治療方法について解説します。

 

子どもが出っ歯になる4つの原因

 

子どもの歯が出っ歯になる原因は、以下の通りです。

 

遺伝・あごの大きさ

歯の大きさや骨格は遺伝の影響を受けやすいです。特に、親や祖父母、近い親族に以下の特徴があり、出っ歯を生じている場合は、子どもに引き継がれる可能性があります。

・上の前歯が前方に位置している
・上顎の骨が前方に位置している
・下顎の骨が後方に位置している

また、日本人のあごは、欧米人と比較すると小さい傾向にあります。そのため、歯のサイズに対してあごが小さいと、出っ歯を生じることがあります。

指しゃぶり

指しゃぶりは、前歯を前方に押し出して出っ歯を引き起こす可能性があります。3歳頃までの指しゃぶりは、母乳を飲む練習や不安な気持ちを落ち着かせる役割があるため問題ありません。しかし、4歳を超えて指しゃぶりを続けると、吸引力が増してくることから、出っ歯を引き起こすリスクが高まります。

舌癖

舌で前歯を押す、食べ物を飲み込む際に舌を前に出す癖を舌癖(ぜつへき)と言います。前歯に力が加わるため、出っ歯を引き起こす可能性があります。また、上下の前歯の間に舌が入りやすく、それが原因で奥歯ではちゃんと噛めても前歯が離れた状態、いわゆる「開咬(かいこう)」を引き起こすこともあります。

口呼吸

口呼吸は、出っ歯になるリスクが高まると言われており、その背後には舌の位置が関係しています。舌は上あごの先端に位置し、舌と頬の圧力で上あごの歯列のバランスを保っています。しかし、口呼吸になると自然に舌の位置が下がります。これにより、頬の圧力で上あごの歯列が狭くなり出っ歯のリスクが高まるのです。子どものお口が常にポカンと開いている場合は、口呼吸の可能性があるため注意しましょう。

 

放置するとどんなリスクがある?

子どもの出っ歯を放置すると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

見た目にコンプレックスを持ちやすい

重度の出っ歯は、口を閉じるときに唇から前歯がはみ出すことがあります。このような状態は、歯並びに対するコンプレックスを持つ原因に。友人や家族とのコミュニケーションがうまく図れず、引っ込み思案な性格になることもあります。

虫歯・歯肉炎になりやすい

出っ歯の影響で口をしっかりと閉じるのが難しくなることがあります。口が開いている状態が続くと口の中が乾燥し、虫歯菌が繁殖しやすい環境に。その結果、虫歯・歯肉炎のリスクが高まります。

咀嚼効率が低下しやすい

前歯には食べ物を噛み切る役割がありますが、出っ歯はその役目を果たすことが難しくなります。食べ物が十分にかみ砕かれず、大きなかたまりとして胃腸に送られるため、消化不良を引き起こす可能性があります。

不明瞭な発音になりやすい

「サ・タ・ラ行」は舌を上の歯に当てて発音します。しかし、前歯が突出していると空気が抜けやすくなるため、きれいな発音ができません。多少不明瞭な発音でも日本語は聞き取ることができますが、英語の場合は全く違った意味で捉えられてしまい、誤解を生む可能性があります。

 

子どもの出っ歯はどうやってなおす?

出っ歯などの歯並びの乱れは、自然になおることはありません。また、指で前歯を押すなど自力での対策は、さらに歯並びを悪化させてしまうので避けましょう。子どもの出っ歯の治療には、以下の方法があります。

 

小児矯正

子どもの歯並びをなおすには、小児矯正が必要です。小児矯正は開始する時期によってⅠ期治療とⅡ期治療に分けられます。

Ⅰ期治療は、永久歯が生え始める6~10歳頃に始める矯正方法です。あごの骨の成長をコントロールして出っ歯を改善します。使用する装置は、取り外しができるマウスピース型矯正装置や床矯正、固定式の急速拡大装置などがあり、症例に合わせて選択されます。中でもマウスピース型矯正装置は、出っ歯を引き起こすとされる指しゃぶりや口呼吸、舌の癖の改善もできます。

Ⅱ期治療は永久歯が生え揃う12歳頃から開始する矯正方法です。歯を1本ずつ動かして歯並びとかみ合わせを整えることを目的としています。使用する装置は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が用いられ、症例やライフスタイルに合わせて適切な方法が選ばれます。

MFT(口腔筋機能療法)

MFTとは、舌や唇、頬などお口周りの筋肉を正しく使うためのトレーニングです。このトレーニングを通じて食べる・話す・飲み込む・呼吸・舌の位置を保つなどの日常的な動作が向上します。MFTは矯正治療と並行して取り入れられることが多く、子どもの成長期に行うとより効果が期待できます。

 

まとめ

子どもの出っ歯は、遺伝や指しゃぶりなどの原因で生じます。放置すると見た目だけでなく、体の健康や発音に悪影響が出るため、早めの対応が大切です。子どもの出っ歯が気になる方は、一度歯科医師に相談することをおすすめします。

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