BLOG
新着情報
ブログ
乳歯の歯並びが悪いとどうなる?リスクや治療について解説
序文
乳歯の歯並びは、将来の永久歯にも大きな影響を与える重要な要素です。「乳歯だから問題ない」と見過ごしてしまうと、思わぬリスクが生じることがあります。歯並びが悪いと虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、永久歯の成長にまで影響を及ぼすこともあります。乳歯の歯並びが悪いことによるリスクや、治療が必要なケース、具体的な治療法についてお話します。お子様の健康な成長のために、乳歯の時期から歯並びを整える重要性について理解を深めていきましょう。
どんな歯並びの時に矯正治療が必要か
乳歯列期においても、経過観察だけではなく早期の矯正治療が推奨されるケースがあります。
受け口・反対咬合
下顎の前歯が上顎の前歯よりも前に出ている「受け口」や「反対咬合」。この状態はかみ合わせに大きな影響を与え、放置すると成長に伴いさらに悪化する可能性があるため、早めの対処が重要です。
開咬
上下の前歯にすき間ができる「開咬」や「オープンバイト」も問題です。この場合、奥歯をかみ合わせた際に前歯が閉じず、見た目や発音、食事にも影響が出ることがあります。
上顎前突
上顎の前歯が大きく前方に突出している「上顎前突」や「出っ歯」。上顎前突は見た目だけでなく、かみ合わせにも影響するため、適切なタイミングでの矯正治療が勧められます。
叢生
歯が前後に重なり、歯列が不規則に並ぶ「叢生」もあります。この状態は歯磨きが難しくなるので、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
これらの症状がある場合、影響を見極めながら、早期の治療を検討することもあります。
乳歯の歯並びが悪い時に考えられるリスク
虫歯・歯周病のリスクが高まる
歯並びが悪いと、歯磨きの際に磨き残しが多くなり、歯垢やプラークが溜まりやすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口内環境が悪化します。これにより、乳歯だけでなく、永久歯にも虫歯ができやすくなります。
永久歯の歯並びに影響する可能性がある
乳歯の歯並びが乱れていると、将来的に永久歯の位置や並びにも悪影響を及ぼす可能性があります。また歯並びが悪いと、歯磨きが行き届かず、汚れがたまりやすくなります。その結果、乳歯が虫歯になり、通常よりも早く抜けてしまうことがあります。さらに、早く抜けた乳歯の影響で隣の歯が傾いたり、ずれたりすることにより、永久歯が正しい位置に生えにくくなることも考えられます。
咀嚼や発音に影響が出る
歯並びの不整は、咀嚼や発音に悪影響を及ぼすことがあります。上下の前歯がしっかりかみ合わない開咬の場合、前歯で食べ物をうまく噛み切ることができず、発音も困難になる場合があります。
乳歯の歯並びを整えるための治療法
床矯正
床矯正とは、取り外し可能な矯正装置を使って歯列を拡大し、スペースを確保する治療法です。主に上顎や下顎の骨を広げて歯の並ぶスペースを作ることを目的としています。乳歯列期に始めると、顎の成長に合わせて歯の位置を調整しやすく、自然な歯並びに近づけやすいとされています。しかし、長期間装着しなければ効果が薄れるため、保護者の協力が重要です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に固定式のブラケットとワイヤーを取り付け、計画的に動かしていく方法です。この方法は、歯並びやかみ合わせを細かく調整でき、特に複雑な歯並びや大幅な位置調整が必要な場合に適しています。乳歯列期に行うワイヤー矯正では、永久歯が正しい位置に生えやすいようスペースを確保したり、歯列を整えたりすることができます。ただし、固定装置であるため自分で取り外しができないことや、食事や歯磨きに注意が必要である点はデメリットとなります。
アライナー矯正(マウスピース型矯正装置)
アライナー矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を使用し、歯を少しずつ動かす治療法です。見た目が自然で、食事や歯磨きの際に外せるのが利点です。また、装着時の違和感が少なく、目立ちにくいことから、子どもがストレスを感じにくい治療法とされています。乳歯列期に行う場合、永久歯が生えるスペースを確保しながら歯並びを整え、将来的な歯列矯正の負担を軽減することが期待できます。ただし、決められた時間しっかり装着しないと効果が得られにくいため、保護者の管理が重要です。
筋機能療法
筋機能療法は、舌や口周りの筋肉の使い方を改善し、自然な歯並びやかみ合わせを促進する治療法です。例えば、舌が前に突き出る癖や口呼吸などの癖がある場合、これらが歯並びに悪影響を及ぼすことが多いため、正しい舌の位置や口の使い方をトレーニングすることで歯並びが改善されることがあります。成長期に行うことで、将来の歯並びを自然な形で整えることが期待されます。
まとめ
乳歯の歯並びは「一時的なもの」と捉えられがちですが、実はお子様の口腔環境や成長に大きな影響を与える重要な要素です。歯並びが悪い場合、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、永久歯が適切な位置に生えにくくなることもあります。早期に治療が必要なケースを把握し、適切な治療法を選ぶことで、将来の歯並びやかみ合わせをより良い状態に保つことが可能です。