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指しゃぶりが子どもの歯並びに与える影響とその対策

序文

子どもが幼いころに見られる「指しゃぶり」は、安心感を得るための自然な行動ですが、6歳を過ぎても続けていると歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。今回は、指しゃぶりが歯並びに与える具体的なリスクや、その予防・対策方法についてお話します。

指しゃぶりによって引き起こされるリスク

開咬

指しゃぶりが長期にわたって続くと、上と下の前歯に隙間が生じ、正常なかみ合わせができなくなる「開咬」という状態になることがあります。この開咬には、上下方向にスペースができる「垂直的開咬」と、前後にずれが生じる「水平的開咬」の2種類があり、どちらも正しいかみ合わせに悪影響を与えます。特に垂直的開咬では、食べ物がうまく噛み切れないほか、発音に支障が出ることもあります。

上顎前突

指しゃぶりの力が上あごの前歯にかかることで、前歯が前方へ傾き「上顎前突」という状態になる場合があります。この上顎前突は、見た目に影響を及ぼすだけでなく、下あごが引かれてかみ合わせが悪化しやすくなります。結果として、発音や呼吸にまで影響が出る可能性があり、注意が必要です。

上あごの狭窄と高口蓋

指しゃぶりが原因で上あごの歯列が狭くなると、「狭窄」という状態が生じます。これにより、歯列の形がV字型に変形し、上あごの内側、特に口蓋のくぼみが深くなり「高口蓋」が起こりやすくなります。高口蓋によって空気の通り道が狭くなると、口呼吸が習慣化しやすくなり、結果的に口腔内が乾燥して虫歯や歯周病のリスクが増すこともあります。

下あごの偏位

上あごが狭くなると、上下の歯列の幅が合わなくなり、噛む際に下あごを左右どちらかにずらさなければならない「下あごの偏位」が発生しやすくなります。下あごが左右どちらかにずれると、顔の左右バランスが崩れることがあり、顎関節に負担がかかりやすくなるため、成長期に顎関節症のリスクが高まる可能性もあります。

指しゃぶりへの対策法はある?

怒らずにやさしく話し聞かせる

指しゃぶりが気になる場合、口の健康への影響をやさしく伝えましょう。怒らず愛情をもって話すことで、子どもが自ら気づき、徐々に意識するようになることが大切です。また、枕や人形を抱くなど安心できる方法を見つけてあげると、自然に指しゃぶりが減ることもあります。生活リズムを整え、ストレスを軽減することも有効です。

指しゃぶりをしなかったら褒める

ポジティブな声かけが効果的です。指を口に入れるのを制止せず、指しゃぶりをしなかった時に褒めることで、子どもが自ら行動を修正するようになります。また、衛生意識向上のため、一緒に手洗いをする習慣づけもおすすめです。

積極的に運動を取り入れる

運動はストレス発散に役立ち、指しゃぶりの原因となるストレスの軽減につながります。スポーツや遊び場での活動を通じて、自然と指しゃぶりの頻度を減らすことが期待できます。工作や絵を描くなどの手を使う活動も効果的です。

手遊びを積極的に取り入れる

日常的に手遊びを取り入れることで、無意識に指を口に持っていく行動を抑えることが身につきます。楽しい手遊びは、指しゃぶりへの意識を自然とそらす効果も期待でき、少しずつ行動をコントロールする助けとなります。

スキンシップを増やす

指しゃぶりは安心感を求める行動でもあるため、親子のスキンシップを増やすことが効果的です。抱きしめたり手をつないだりすることで愛情を直接感じ、指しゃぶりを減らす助けとなります。絵本や遊びを通じて親子で触れ合う時間を増やし、安心できる環境を整えることが改善の第一歩です。

歯並びが悪くなってしまったらどうする?

指しゃぶりの影響で歯並びに問題が生じている場合、歯列矯正が有効です。矯正治療にはさまざまな種類があり、子どもの場合は成長に合わせて治療方針が決まります。

床矯正

取り外し可能な装置を使って歯列を広げる治療法で、主に成長期の子どもに適しています。装置を装着することで、あごを少しずつ広げて歯がきれいに並ぶスペースを作ります。骨がまだ柔らかい時期に始めると、自然な成長を利用して効率的に歯並びを整えられるのが特徴です。

プレオルソ

プレオルソは、簡単に取り外しができるマウスピース型の矯正装置で、歯並びの悪化を防ぎながら舌のトレーニングも可能です。舌の正しい位置を促し、口周りのバランスを整えることで、発音の改善や口が開いたままになる癖、口呼吸の改善も期待できます

ブラケット矯正

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を装着し、ワイヤーで歯を動かす伝統的な方法です。難しいケースにも対応でき、確実な改善が期待できます。

まとめ

指しゃぶりは一見無害に思える行動ですが、続けることで歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えることが分かっています。開咬や上顎前突、顎の発育にまで影響を及ぼす可能性があるため、早期の対応が大切です。そしてお子様が指しゃぶりの習慣を自然にやめられるよう、愛情をもって支援することが何よりも重要です。今回紹介した方法を参考に少しずつ指しゃぶりの頻度を減らしていきましょう。

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